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サブロー通信No.90(2012.06.06)

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デジタルマニュアル

コラム
以前にあるお寺に行ったときに標語のように言葉が壁に貼ってありました。
 
「人の為、人の為というが、横から見ると偽り(イ=人と為)と読む」

今でも響く言葉です。

偽善という言葉で、思い出す映画があります。ポール・ニューマン主演の評決という映画です。

※『評決』(ひょうけつ、原題: The Verdict)は、1982年制作のアメリカ映画。
シドニー・ルメット監督作品。医療過誤訴訟を主題とした法廷もの。
初老の弁護士を演じたポール・ニューマンの演技が高く評価されている。
仕事の見つからないアルコール依存症の弁護士フランク・ギャルヴィン。彼は今日も新聞の死亡欄を確認して見ず知らずの人物の葬式会場に出かけ、「困ったことがあったら力になります」と悲しみに暮れる遺族に名刺を渡して回るという惨めな営業活動を続けていた。ポールニューマンが演じるギャルヴィンはアルコール依存症の弁護士。ひたすら酒を煽って気を紛らすしかなかった。
そんな姿を見かねた先輩弁護士ミッキーが、簡単に済みそうな訴訟を世話してくれることになった。出産のために入院した主婦が麻酔時のミスにより植物状態に陥ったという事件。
事を穏便に済ませたい病院側が示談に応じるのは見え見えだった。また実際に、背後にカトリック教会を控える病院側の大手弁護士事務所は多額の和解金を提示して、示談に応じるよう申し入れてきた。権威におもねる判事もこれを飲むよう忠告する。ギャルヴィンは主婦が入院中の病室を訪れる。昏睡中の主婦の哀れな姿を写真に撮っておき、それを突きつけてなるべくたくさんの示談金を引き出そうというのだ。1枚、また1枚とポラロイドでその主婦を撮影するギャルヴィン。これで楽に勝てる。思わず顔が綻んだ。しかし、そこで見たのは自力で呼吸することすらままならず、全身を機械で繋がれた生ける屍の姿だった。出産のためにただ病院に行っただけで全てを奪われた平凡な主婦。その姿を見つめるギャルヴィンの心に、忘れていた何かが蘇ろうとしていた(ウィキペディア参照)

主人公のギャルビンは、当社の簡易な示談で金儲けをする思惑とは違い、大病院と法廷で戦います。
その時に訴訟側の昏睡状態の主婦の妹に「私は、お姉さんの為、貴方の為、そして、私の為に戦います」といいます。

私は、この最後に付け加えた「そして、私の為に戦います。」という言葉が崇高で真摯的な言葉に聴こえました。日本の政治家なら「命をかけて」という最も軽い言葉で、相手の為ではなくあたかも自分自身の存在感を示してしまうような感じになるでしょう。

ギャルビンは、相手を安心させ、自分の必死さを分かってもらうために「自分の為に」という言葉を付け加えました。そこに信頼が目覚めたように感じました。本当に自分の事を考えずに、必死に戦おうとしているのであれば、人の為などという言葉を言う必要も無いのです。心に真があれば、自分の為に行動すればよい。

「七十にして心の欲する所に従って、矩を踰えず=自分の心の要求通りに動いても、人の道に外れることはない」という孔子の言葉は、こういうことかなと思います。


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